普通の人が持つ最大の資産は「労働力」です。人的資本というのは自分自身が稼ぐことができる財産と言い換えてもいいでしょう。
多くの人は社会に出て「働き」その対価として「賃金」を受け取ることになるはずです。その労働力というものは人生における最大の資産です。
20代の労働力は現在価値にすれば1億円を超える
労働力というと肉体労働というイメージを持たれるかもしれませんが、知的労働を含みます。
労働市場において働くことによって得られる富と考えた方が分かりやすいかもしれません。
こうした労働力は人的資本とも呼ばれます。
私たちはこの人的資本を持っており、それを労働市場でそれを提供することで対価としての報酬(給料)を受け取ることになるわけです。
人が一生涯に受け取る生涯賃金はサラリーマンの場合で2億円を超えます。この生涯賃金を現在価値に割り引いても1億円を超える人的資本を持っていることになります。
普通の人で1億円を超える資産を持つ人は少ないでしょうから、普通の人が持つ最大の資産は労働力(人的資本)と言えるでしょう。
労働力(人的資本)は普遍的価値ではない
こうした労働力というものは普遍的ではありません。
「正規社員と非正規社員との生涯賃金の差」で書くように働き方によっても評価は変わります。
また、「若い人ほど考えるべき「自分の価値」と自己投資」でも説明しますが、価値を高めることだってできます。
「稼ぐ力と同じくらい大切な「長く働ける力」」で紹介するように定年を超えても働くことで高めることができますし、逆に病気や怪我などによってそれが失われてしまうこともあります。
このように労働力(人的資本)というものは確実なものではありませんが、自分の考え方や行動によって変えることができるものでもあります。
高齢者は労働力(人的資本)が少ない
身も蓋もありませんが、「働ける期間」というものが有限である以上、労働力(人的資本)は加齢とともに失われていきます。
そして仕事を辞めてリタイアした時点で「ゼロ」になります。
その後は、これまでに労働力を提供することで積み上げてきた資産をつかって生活していく必要があります。