母は節約のために、よくウインドーショッピングをします。
しかし、勘違いしないでください。
買うためにウインドーショッピングをするのではありません。
買わないためにウインドーショッピングをするのです。
母は、町へ出かけてデパートに寄ったついでに、ほかのお店も見て回ります。
ウインドーには、はやりの服や最新の服などが飾られていますが、節約意識を忘れることはありません。
母が、買うのは必要な物だけです。
ささいな衝動買いをしてしまうと、後から結局着ることもなく無駄になります。
やみくもに必要のない物を買ってしまっても、家が倉庫になるだけです。
きれいさに見とれるだけで心は満足で、母はその後買うことなく帰っていきます。
ウインドーショッピングだけで満足してしまう都合のいい性格ですが、母はこれも節約のためと言っています。
「欲しいほしいと思いなんでもかんでも手を出していたら、いくらお金があっても足りない。
しかし、見るだけならタダだから、デパートに行ったときくらいは目の保養をしないと損する」。
こう言ってウインドーショッピングを楽しんでいるのです。
買うためにしているというより、見て目の保養にするためにしているのです。
これは旅行に行って素晴らしい景色を眺めることと同じです。
旅行に行ったときは、素晴らしい景色を眺め癒されますが、ウインドーショッピングでもきれいな服を眺めることで癒されます。
それだけで心は躍り、購入しなくても、見るだけで満足してしまうのです。
素晴らしい景色を眺めることとウインドーショッピングを楽しむことは、目の保養ではまったく同じなのです。