見栄やプライドが破滅への落とし穴
高収入であっても貯蓄が常に100万円以下、もしくはほぼ0円という家庭は驚くほど多いと言います。
また、毎月の家計が苦しく破産の恐怖に怯えている家庭も珍しくありません。
では、なぜ高収入の家庭は“破滅”してしまうのでしょうか?
例えば、家賃や物件価格の高い人気エリアに住んだり、維持費の高い高級車に乗ったり、洋服やバッグ・アクセサリーなどもすべて海外のメガメゾンで揃えたり、
食材や毎日の食事・外食にも必要以上の高品質を求めたり、年会費が高いだけで実利の少ないゴールドカードを所有したり…
つまり“ステータス”や“世間からの評価”を重要視し、自分を取り巻くすべてのものに“特別でハイクラスなもの”を求め常に“ワンランク上のもの”を意識する傾向にあります。
このような傾向は年収700万円を超えたあたりから、徐々に増えてくるという調査結果もあるようです。
結果的に、食費・住宅費・被服費・交際費・娯楽費…などすべての家計項目がまんべんなく支出過多となり、結果的にまったくお金が貯まらなくなってしまうのです。
また、高収入の方が多く住むエリアでは“周囲の家庭の生活レベルが高い”ことにも要注意です。
ご近所のレベルに合わせようとして、ついつい見栄を張って高価なものを買ってしまいがち。ちょっと家計が厳しいと感じていても、周りの目が気になり簡単には生活レベルを落とすことができないのです。
これはご主人だけではなく普段から自宅を中心に行動することの多い奥様も無意識のうちに浪費が増えてしまうという傾向があります。
本人たちは極端な浪費をしていないつもりでも、全体的にまんべんなくお金がかかってしまっていることが高収入の家計の特徴なのです。
金持ちと貧乏は紙一重?
仮に年収800万円の家庭があったとします。年収800万円と言えば世間的には立派な“高収入”というイメージで間違いないですよね。月々の手取りで言うと平均49万円ほどになります。
もし、この家庭が周辺エリアの家賃相場より月3万円ほどお高いマンションに住み、自動車を月3万円のローンを組んで購入し、5千円のガソリン代を使い、2.5万円の月極駐車場を借りたとします。
更に子供2人を私立中学・私立高校(月の学費計10万円)に通わせ、奥様が週に1回ご近所のママ友たちと近くの高級イタリアンでランチ会(1回2,500円)をすると仮定します。
…そうすると、これだけで月に合計20万円の支出増になるわけです。
この分を差し引くと、実は年収400〜500万円の中流家庭と同じ手取り金額となります。
決して年収400〜500万円の家庭を貧乏と言っているわけではありません。
上記の支出だけでも20万円も余分にコストが上乗せになっているのに、さらに普段の食費・お小遣いなどの生活費やショッピングで浪費をしてしまっては、お金がなくなるのは当たり前。
家計が破綻するのも自明の理と言わざるを得ませんよね?
本来ならば生活レベルをグッと落とすべきなのですが、“いい暮らし”に慣れてしまったいわゆる「贅沢病」の状態では、
なかなかそれまでの消費ペースから抜け出せず自己破産や家計の破綻を招いてしまうことになります。
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